お別れの時にはあっけなく

お別れの時にはあっけなく

初めて猫を飼った時のことです。とても頭の良い子で、ありとあらゆる扉や窓を開けてしまうようになり必ず鍵をかけるようにしていたのですが、父が目を離した隙に父の部屋に忍びこみ窓を開けて脱走してしまい見つけた時には既に亡くなっておりました。
初めてのことで勝手が分からず、とにかくネットで調べ県内にあるペット霊園にて火葬をお願いしました。
そこは人間と同じように墓地があり墓石が並んでいて、更にお堂がありそちらに預けることも可能な霊園でした。けれど手離すのは忍びなく、お骨は自宅に持ち帰ることにし火葬のみをお願いしました。
「次の予約があるから」とお別れの時間もそこそこに、すぐに連れていかれてしまった愛猫。私達は霊園の中に建つ、小さな小屋のようなところで数時間待たされることになりました。ベンチが置いてあるだけで、窓も出入り口も穴が空いてあるだけの質素なドーム型の小屋にはもちろん空調などはなく、ただ周りの墓石を眺めるしかすることがないその場所に戸惑うしかありませんでした。その後、その小屋に骨壷に入れた愛猫のお骨を持ってきてくださったのですが、自分達でお骨を拾うのだとばかり思っていたので拍子抜けしてしまい釈然としないまま帰宅しました。
忙しそうにしていらしたとはいえ、とても愛猫との別れの場に相応しい場所だったとは思えず 今後は使用しないようにしようと、心に決めています。全ての霊園が同じではないでしょうけれど、次の子では火葬車を呼ぶタイプのお別れに変えました。
あの時、お骨を霊園に預けなくて本当によかったと思っています。